one boy達のテニスへの想い・・・ 毎週木曜更新!
★第9試合 『吉祥寺POWER』
「優勝しました!」
友人からメールが入り、「おめでとう」と返した。
最近は忙しさを理由に練習もサボりぎみ、試合も出てない。
上司からは試合に出なさい、と五月蝿く言われてんのになぁ。
って、反省してたら、後輩からメール。
「また飲んでくださいね!」
「しょうがねぇなぁ」なんて返信をして一段落。

あまり行かないけどお気に入りな店が吉祥寺にあってね。
今日はそこで焼き鳥三昧。
汚いけど、連れてった女の子は必ず喜ぶんだ。
マジだよ。
・・・・大きな声で言えることじゃないんだけどね。
知りたい人はこっそり聞いて。
ま、今日はそこで昔話を話してきたわけよ。
4年くらい前のことか?
懐かしい。
あの頃の気持ちが甦るよね。
あの頃はコート〜居酒屋〜家〜コート・・・・と、まあエンドレスでね。
それでも体は動いたし、気持ちも切れなかった。
あの頃は、ね。

うん。

今は口ばかり達者になって・・・・。
今日飲んだ奴は4月から京都勤務。
夢と希望に満ち溢れてて。
眩しかったぜ。
「頑張れよ」なんて言ったら、「お前も頑張れよ!」なんてツッコミも入りそうだ
な。
だからやることは、ただ一つ。

明日からまた走りだそう。

あ、ちなみに今日の呑み相手は男だからね!
★第8試合『WHY TENNIS?』
「どうなってる?」
先に応援に来ていた奴らに、そっと近づいて、聞こえるか聞こえないかくらいの声で尋ねた。
(聞かなくたって、接戦になってるんだろうってことは、
プレーヤーの4人の表情から分かったんだが)
「一勝一敗でダブワンに回ってきて、ゲームカウントは4オール、カウントは30-30っす」
「競ってんなぁ」
この会話で、後はコートの方に神経を集中させる。
俺のちょっとした想いが、あいつらの力になってくれれば・・・なんて思いながら。

隣では、応援だか野次だか解説だか分からないようなアドバイスを送っている、
相手のチームキャプテンらしき男性が観戦していた。
「ポーチないない!ど真ん中打ち抜いたれや!」
試合後に何人もの選手がアドバイスを聞きに来ていたことから考えると、
野次並みの声援を送る彼は絶大な信頼を得ているのだろうな。
だからといって野次が許されるものではないんだが。
まあ不快な気分になったわけではないから、特に気にならなかったし、いいだろう。

チームの代表という立場で試合する団体戦。
何故か、不思議な力が湧いてくる。
目に入ってくるのは、コート、ボール、敵プレーヤー。
というか、それしか見てないのに。
・・・・感じてしまう、仲間の声を、勇気を、彼等の後押しを。
だから、ショットの一本々々に気合が伝わり、それこそ重いボールになったり、普段出ない、
あと一歩が出てボールに追いついてカウンターが打てたりする。

だから・・・・・だから好きなんたよ。
テニスが。
団体スポーツとは思ってもらいづらい我等が庭球。
だけど、現実はこう!
こうなんだよ!

分かる?
分かるよなぁ?

明日はジュニアレッスンについてのミーティングがある。
あ〜だ、こ〜だ、あるんだろうけど、明日は言わなきゃいけないな。
『子どもたちの団体戦をしましょう!いや、しなきゃいけません!』

興奮がMAXに達したときに、味方リターンが白線を飛び越えちゃった。
残念!
すっきりした顔してるけど、実は違うんだろ?
早く握手してこっちに来いよ。
けど涙は居酒屋まで溜めとけよな!
★第7試合『“とこだけ”な奴、そうじゃない奴』
「ほれみろ!」
「何が?」
「見りゃわかんだろ?!雪だよ、雪!お前が朝練しよう!なんて言うからだぜ!
試合が近いからって・・・そういうとこだけなぁ・・・」
「なんだよ、それ」
「あ〜・・・もう、うっすら積もってるし・・・こうなるとな、バイト先のコートの雪を・・・ほら来た!
・・・はい!お疲れ様です!明日ですか?はい!はい!大丈夫っす。7時集合?はい!
もちろん大丈夫っす!はい!はい!失礼します!・・・はぁ〜」
「どした?誰から?」
「バイト先のヘッドコーチから。明日、雪掻き決定だってさ。チキショー!
俺、今日の飲み会パスね」
「マジかよ〜!みんな来るんだぜ。ほら、○○!○○ちゃんも来るんだぜ、
あの、お前が気にしてたあの子」
「しらん、どうでもいい」
「嘘つけ、アホ」
「嘘じゃねぇ!ましてアホじゃねぇ!!」
「はいはい、そういうとこだけ、仕事優先みたいな顔しちゃって」
「・・・喧嘩売ってんの?」
「ん?買う気があるなら売ってやるよ?」
「上等!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「じゃあ8時ね。スマンが頼むよ。うん、ああ、じゃあな」
「捕まりました?」
「何とかね。皆来たくないんだろうけどな」
「はは。ヘッドに言われたら断れないんじゃないすか?仕方なく、ですよ」
「おい、せめて義理人情くらいに言ってくれよ」
「どっちにしても来てくれるだけいいじゃないっすか。変な言い訳して、
かわす奴っているじゃないですか?だけど美味しいとこだけ持ってく、みたいな。
俺、そういう奴、大っ・・・嫌いなんすよね!」
「まあ、そう言うなよ。そうだ、明日は雪掻き終わったら、皆で飲みにでも行くか?」
「あ、明日はやめときます。俺、次の日朝一だし」
「そうか。鍋代くらいは出してやろうと思ったのにな。お前が来ないなら、
二人前浮いた勘定になりそうだから、あのうどんすきの美味い店にでもしちゃうかな」
「あ、え、ちょっと待って下さいよ。あそこっすか?え、奢りっすか?
行きます!うどんすき、行きます!」
「・・・美味しいとこだけ持ってくのな」
「俺の場合は雪掻きしてるから、『とこだけ』とは違いますよ!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「おはようございま〜す」
「おはよう。ん、どうした?そのあざ」
「なんでもねぇっす!さ、早く雪掻きしちゃいましょう!」
「やけに張り切ってるじゃないか!今日は終わったら、うどんすきだぞ」
「いや、ちょっと昨日飲みすぎちゃって・・・」
「なんだよ。かわいい子でもいたのか?」
「勘弁して下さいよ〜。そんなんじゃないっすよ」
「そうか・・・今日は俺の奢りなのになぁ!」
「・・・行きます!さ!頑張りましょう!」
「お前も『とこだけ』人間じゃないもんな」
「なんすか?それ?」
「こっちの話だよ。それ、美味い鍋を食うために頑張るぞ!」
「うっす!!」
★第6試合『究極の選択』
「私と仕事と、どっちが大事なの?」
「なんだよ、急に!」
「びっくりした?いやさ、もしこんなこと聞かれたらなんて答える?」
「はぁ?」
「こないだテレビでやってたんだけど、この手の質問で最高の答えがあるんだってさ」
「ふ〜ん、で、何て言うの?」
「まず、真剣に答えてみてよ」
「じゃあ、『仕事もお前もどっちも大事で、決められないよ』どう?完璧?」
「はい40点。そんなありきたりな答えのはずないでしょうが!」
「だよね〜。お前が出す問題にはいつも裏があるからなぁ」
「なんだよそりゃ。いい?仕事も私も、どちらか一方だと『不安ダースの犬』になるらしいぜ」
「つまらん。だったら俺の答えでOKじゃないの?」
「だとおもうだろ?」
「違うんでしょ。お前は何て答えんだよ」
「・・・・・・いや、まあ、な・・うん」
「なんだよ、一緒かよ!」
「・・・・まあまあ、この答え聞いたらビビるぜ。いいか。・・・・・・・『ごめんな。そんな心配
させちゃって』だって!どう!これ!!」
「次なに飲む?コーラ割りでいい?」
「ちょっと・・・・お前なぁ、少しは感動しろよ」
「分かった分かった。で、今の奴には何て言ったの?」
「あぁ、大丈夫。そんな心配させてないから」
「こないだも午前様だったのにか?」
「あれは朝帰り。ちなみに仕事ではなくて、飲んでいて話が盛り上がっちゃって
場所を変えたらカラオケだっただけ」
「一緒だよ、そんなの!」
「とりあえず順調だから、いらん心配すんな」
「ごちそうさま。でもさ、『ごめんな』の後にやっぱりどっちか選ぶんじゃないの?」
「良いところに気が付いた!まさしくその通り!」
「で、どっちなんだよ?」
「なんだよ、やっぱり知りたいの?」
「ここまできたら一番の答え知っとかないとねぇ」
「実は・・・・・その次はあまり関係ないらしいよ。『ごめんな』が全てを解決してくれるから」
「ホントかよ?!」
「ホント」
「もういいや、おあいそしよ」
「あれ?つまんなかった?」
「面白かったよ。けどもう帰らなきゃ、さ」
「彼女が心配するから?」
「ちゃうよ。明日のテニスに響くだろ?」
「なんだよ、じゃ、質問が違ったな。『テニスと俺、どっちが大事?』だった?」
「あぁ、だったら、『ごめんな、そんな心配させちゃって』これでいい?」
「ん〜、で?」
「分かったよ!とりあえずコーラ割りをもう一杯!」
「満点!」