one boy達のテニスへの想い・・・毎月10日、25日更新!!
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★第17試合 『忘れられない夜』
バイト時代の先輩が転勤になって、そこに呼び出しをくらった。
横浜から一時間?(遠いなぁ、まったく)
駅に着いて、周りを見てみると、意外に栄えてる街並みが飛び込んできた。
あとから先輩は「駅前だけね」なんて言っていたけど。
駅前の人混みの中から、先輩の姿を探す。
タッパがある人だから、結構すぐ見つけられるんだ。
と言っても、俺の方が数センチ高いんだけどね。
「おひさしぶりっす」
「おう。おまえ腹減ってるよな?何食いたい?」
「いや何でもいいっすよ」
「じゃ、俺、餃子とレバニラ。いくぞ」
「うす」
何と言うか、気を使ってくれてそうで、でも結局最初から行くところは決まってたん
だろうな。
だって昔からそんな先輩だしね。
まあ、ある意味ワガママなんだな。
で、餃子を食べながら一杯。
「どうなんだよ?最近は?」
「いや~大変す。なかなかうまくは行かないですが、これからですよ」
「そうか。自分の選んだ道だから、納得できるまでしっかりやれよ」
「うす。向かい風はまだまだ吹いてますね。負けませんけど」
「風見鶏、ね」
  (※参照:One Boyの『待ってろ!ジュニア日記』第15ゲーム『風を探して』)
な~んて近況報告があって、先輩はレモンサワーを注文。
相変わらず飲む人だ。
「テニスは?やってんの?」
「いや、それがですねぇ・・・・」
「なんだよ、やってないんか?」
「なかなか機会がなくて・・・・」
「機会なんてもんはなぁ、自分で作るんだよ。仕方ねぇな。試合にでもでるか?」
「いいっすねぇ!」
「んじゃ、ちょっとマッテロ」
そう言って、携帯をいじり出した数分後。
「決まった。○月○日の○曜日。男ダブね。練習しとけよ。・・・すいませ~ん!!」
「は?」
「だから、申し込んだから、試合。男ダブで。あ、レモンサワーもう一杯ね」
「ええっ?!」
「何だよ?嫌なの?お前はなんか飲む?」
「あ、じゃあレモンサワーで。
(嫌だって言ったって、どうせダメなんでしょ?)
そうじゃないっすけど。・・・予定も空いてました」
「じゃ、練習しとけよ。お前、バックサイドだよな?
ダブルス組むのなんて一年以上ぶりか」
なんて会話の中、互いのテニスの話になったり、昔のバイト先の思い出話になったり。
「出るからには勝ちたいっすね!」
「当たり前よ!負けに行くためにする戦があるか?」
「ですよね!じゃ、優勝で!」
「最善を尽くそう!とりあえず今日は決起集会って事で、派手に遊んじゃうか?
もうすぐアイツも来るし」
「そっすね!あ、来ましたよ!」
「お待たせっス!あれ?もう飲み終わりですか?じゃ、ボーリングでも行きません?」
「いいね!じゃ、とりあえず3セットマッチでいくか!」
これこれ、このノリなんだよね。
やっぱり変わってなかった。
ちょい酔いの俺達は残っていたレモンサワーを一気に飲み干し、街へ出る。
「今だけは忘れちまおう」
そんな風に決めた夜だった
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★第16試合 『桜チル頃ニ』
この季節になると、あの頃に見た桜を思い出す。

ちょっとばかりテニスをした後に、何気なく行った公園。
そこには、「まさに満開!」と言っていい桜が沢山あった。
車の窓から顔を出してみると、フワリと花びらが飛び込んでくる。
いくら舞ったとしても、無くなる気配を微塵も感じさせない、そんなトコロが好きだった。
そう、好きだった。
そこでは、春の暖かさも手伝ってか、車を駐車場に止めて少しだけ眠った。
その時に流れていたBGM。
なんの事は無い、それだけの事。
ただ、それだけの出来事。

人はみな 心の岸辺に 手放したくない花がある
それはたくましい花じゃなく 儚く揺れる 一輪花
花びらの数と同じだけ 生きていく強さを感じる
嵐 吹く 風に打たれても やまない雨は無いはずと
桜の花びら散るたびに 届かぬ思いがまた一つ
涙と笑顔に消されてく そしてまた大人になった
追いかけるだけの悲しみは 強く清らかな悲しみは
いつまでも変わることの無い
君の中に 僕の中に 咲く Love・・・
(桜/コブクロ)


こないだの春の嵐と長く降り続いた雨で、流石の桜達も・・・。
散る気配のなかったはずのコイツラとは、また来年までサヨナラ。
太い幹から伸びた枝には、もう新しい緑の新芽が飛び出している。

うちのスクールのジュニアクラスでは、進級、進学に伴い、大きく顔ぶれが変わる時。

あいつら、レッスンでは、様子を伺うような表情でこちらを見ている。
この“新芽”達との勝負は、今、この瞬間から始まっているんだな、って。
蕾のままになんかさせないよ、絶対。
来年、きっちり咲こうな?

近くの学校も始まり、通学路を歩いている学生の姿をとてもまぶしく感じながら、
「俺もあんな時代があったな・・」なんて、また昔を思い出す。
気付くと、いつの間にか年齢があがっちまったもんな。
だけど・・・だけどココは、心は変わってないよ。
アツい何かはまだまだ流れてる。

さあ、今日もコートへ!
前を見て駆け抜けよう!
★第15試合 『日記』
「へぇ、とうとう引越ししたんだ」
「ん、まあな」
「で、どうだよ、新しい家の住み心地は?」
「変わらないよ、一人暮らし用のアパートなんてどこ住んでも一緒」
「そんなもんかねぇ」
「そんなもん」
「あの辺りは、ちょっと先に行くと大きなショッピンセンターがあって何でも揃うんだぜ。
そうそう、でっかいパチンコ屋もあったな。もう行った?」
「あぁ、ショッピングセンターには行ったけど、パチンコは行ってないよ。もうやめたし」
「あ、そうなの?けど飲み屋も近くにないし、やることないんじゃない?」
「いいんだよ、愛する部屋に直帰するから。昨日なんか自炊しちゃったぜ。何年ぶりかな?
まあ失敗して鍋を焦げ付かせたけど」
「何というか・・・やることが堅いというか。愛する部屋じゃなくて、早く人を見つけろよ。
メシも作ってもらわなきゃなぁ!」
「余計なお世話!お前は実家だからメシが出てくるし、いいよな」
「俺はその分入れてるから、家に」
「当たり前だっつぅの」
「はいはい」
「そういえば、この近くにテニスショップみたいなのって無いの?」
「あぁ、小さいのは有るよ。駅前に1軒あったな。
もうちょっと大きい店になると、車か電車で行かないと無いかもな?なんで?」
「いやさ、知り合いの子がテニス始めたんだけどさ。まだ4歳なんだけどね。
近くのスクールに入って、ラケットはそこで買ったんだって。
けどね、ボール?普通のボールじゃなくて、もっとベコベコの柔らかいボールを探してるんだって。
スクールで注文すると何十個単位になっちゃうみたいで、困ってたからさ。もし近くにあるなら
買って送ってやろうと思ってさ」
「へぇ、いいとこあるじゃん。なんなら連れてってやろうか?今日車だし」
「ほぉ、いいとこあるじゃん。けど今日はダメなんだ」
「なんで?」
「いや、人が来る予定なんだよ、夜」
「なんだよ、彼女できた?」
「ちゃう。後輩が近くの草大会出るらしく、泊まりにくるんだ」
「もう利用されちゃってるのね。溜まり場になる予感・・・」
「活用と言ってもらいたいね。でさ・・・・見た?伊達」
「おお!復帰だろ?嬉しいよな。あのストロークがまた見れるかと思うとワクワクするよ」
「だよな~。」
「うん」
「・・・・・ちょっと練習しない?」
「いいね!じゃあボール落すの禁止ね」
「言うと思った。上がりっぱなオンリーね。ライジング勝負!」
「OK!!」
★第14試合 『夢の途中で』
「コーチ・・・負けちゃったよ・・・」
いつもの威勢のいい元気な声はそこには無く、
どうしていいか分からない表情でラケットをしまっている彼の姿があった。
「うん・・・見てたよ・・・ナイスゲーム・・・ドンマイ」
一言一言しか言葉を発せなかった。
それ以上は言葉と一緒に何か違うモノが溢れてきそうだったから。

勝者がいれば必ず敗者が存在している。
それは、どうしようもない事実。

現に、反対側のコートには満面の笑みで友人と喜びを分かち合っている選手の姿。
ちょっと後ろに目をやると、母親らしき女性が泣いている。
よっぽど嬉しかったんだろう。
理由だって何となく分かる。
と言うのは、2人の関係は、言ってみればライバル関係だったって事
で、今まで何度も対戦してきたって事。
ただ、結果は今回の逆のパターンが非常に多かったって事。

この大会は小学生までが対象だから、来年はもうどちらも出られない。
俺は、最後の大会で「優勝させたいなぁ」と考え、彼は「優勝したいなぁ」と思ってた。
でも、相手サイドは違ったのかもしれない。
俺達以上に「優勝」の二文字を意識していたのかも・・・。
もっともっともっと、ああしてあげてれば、こうしてあげてれば、
なんて思ったりしたけど、後の祭りだよな・・・。
あいつに「来年頑張ろうぜ!」が、言ってやれない。
ただその事が、どうにもならないその事が悔しい。

運営スタッフでもある俺は、表彰式の時に準優勝の彼に「銀メダル」を渡す役だった。
その時に「おめでとう」を言ってあげたかったんだけど・・・・、
いや、言ったんだけど、その次に無意識に出てきた言葉があったんだ。

「ごめんね」

聞こえたかどうかは分からなかった。
もしかしたら声になってなかったかもしれないから。

帰りのバスの中、疲れ果てて寝ている彼。
彼はどんな夢を見ているのかな?
きっと、もう次に向かってる夢だろうな。
そうだよ、君はまだまだこれからだ!
この経験が大きなモノとして貴方に残りますように。
最後に、

「今まで本当にありがとう。これからもよろしくな!」

腹減ったな!
さ、早く家に帰ろうぜ。
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