何処に向かって進んでいますか?
見えていますか?
きちんと歩いていますか?
別に走ってなくてもいいから。
たまになら立ち止まってもいいから。
分かれ道が幾つあっても、その道を選んだら、その瞬間からホントの道になる。
辿り着ければ、いや向かっていれば、いいんだよ。
時間がかかっても、迷っても、途中間違えていても、いいんだよ。
今、こうしてテニスコートに立てること。
テニスが出来ること、伝えられること。
テニスと、貴方と出逢えたこと。
まだまだ未完成な俺達は、手探りな歩を重ね、前へ。
躓き、転び、起き上がり、前へ。
これから先、俺にも君にも数えきれない壁があるだろう。
だけど、それと同じ数の、いや、それ以上の幸せが見つかるはず。
そんな道を進んでいるはず。
こんなに強い自分がいる事に気付いたのは
この道が誰でもない 自分で選んだ道だから
(轍/コブクロ)
ほら、立ち上がって進もう。
君の前に広がる道を。
そして俺は俺の道を。
見えていますか?
きちんと歩いていますか?
別に走ってなくてもいいから。
たまになら立ち止まってもいいから。
分かれ道が幾つあっても、その道を選んだら、その瞬間からホントの道になる。
辿り着ければ、いや向かっていれば、いいんだよ。
時間がかかっても、迷っても、途中間違えていても、いいんだよ。
今、こうしてテニスコートに立てること。
テニスが出来ること、伝えられること。
テニスと、貴方と出逢えたこと。
まだまだ未完成な俺達は、手探りな歩を重ね、前へ。
躓き、転び、起き上がり、前へ。
これから先、俺にも君にも数えきれない壁があるだろう。
だけど、それと同じ数の、いや、それ以上の幸せが見つかるはず。
そんな道を進んでいるはず。
こんなに強い自分がいる事に気付いたのは
この道が誰でもない 自分で選んだ道だから
(轍/コブクロ)
ほら、立ち上がって進もう。
君の前に広がる道を。
そして俺は俺の道を。
気が付けば昼前。
意識がはっきりしないまま、手を伸ばしてカーテンを開けると昨夜の台風が嘘のように、
青空が広がってる。
この空が毎回同じことを思わせる。
「夢でもみてたのか?」
近くのコンビニまで朝食だか昼食だかを買いに行った奴が戻ってきて、
サンドイッチを俺に手渡した。
「ビール?」
聞かれた一言に、つい、
「ああ」
と返しちまった。
いかんな。
まあ休みの日くらいは・・・なんて言い訳をしながらサンドイッチを流し込んで、
テレビに何となく目を向けるんだ。
新宿駅が写し出され、交通機関の乱れがどうとか・・・・今の俺に言ったって仕方ないだろ。
部屋を出ようとしない俺には、動いてようがいまいが関係ない。
「大変だね」
なんて一言で済ませてしまう。
海外テニス界のヤングジャパニーズの進出や、
国内テニス界の元世界ランカーの復帰、快進撃。
明らかにマスコミが取り上げ、大騒ぎしている。
けど、
「すごいねぇ」
で片付けてないか?
さらに、
「才能がちがうねぇ」
なんて軽々しく言ってないか?
極めつけに、
「もっと頑張ってもらわなきゃねぇ」
なんのこっちゃ。
なんも分かってねぇ。
そして俺もそっち側だったな。
中にいるだけでは、何も伝わらない、伝えられない。
俺達は、もっともっと部屋から出て見なきゃ、感じなきゃいけないものがあるんだよ。
『電車大丈夫だった?』と新橋まで通勤してる奴にメールを打ちながら、アポ取り。
「明日、ちょっと見に行かない?」
部屋から出る、俺達はそこから始めりゃいいんだよ。
意識がはっきりしないまま、手を伸ばしてカーテンを開けると昨夜の台風が嘘のように、
青空が広がってる。
この空が毎回同じことを思わせる。
「夢でもみてたのか?」
近くのコンビニまで朝食だか昼食だかを買いに行った奴が戻ってきて、
サンドイッチを俺に手渡した。
「ビール?」
聞かれた一言に、つい、
「ああ」
と返しちまった。
いかんな。
まあ休みの日くらいは・・・なんて言い訳をしながらサンドイッチを流し込んで、
テレビに何となく目を向けるんだ。
新宿駅が写し出され、交通機関の乱れがどうとか・・・・今の俺に言ったって仕方ないだろ。
部屋を出ようとしない俺には、動いてようがいまいが関係ない。
「大変だね」
なんて一言で済ませてしまう。
海外テニス界のヤングジャパニーズの進出や、
国内テニス界の元世界ランカーの復帰、快進撃。
明らかにマスコミが取り上げ、大騒ぎしている。
けど、
「すごいねぇ」
で片付けてないか?
さらに、
「才能がちがうねぇ」
なんて軽々しく言ってないか?
極めつけに、
「もっと頑張ってもらわなきゃねぇ」
なんのこっちゃ。
なんも分かってねぇ。
そして俺もそっち側だったな。
中にいるだけでは、何も伝わらない、伝えられない。
俺達は、もっともっと部屋から出て見なきゃ、感じなきゃいけないものがあるんだよ。
『電車大丈夫だった?』と新橋まで通勤してる奴にメールを打ちながら、アポ取り。
「明日、ちょっと見に行かない?」
部屋から出る、俺達はそこから始めりゃいいんだよ。
“何も無い場所だけれど
ここにしか咲かない花がある”
(ここにしか咲かない花/コブクロ)
「どうします?」
「いや、けど俺達だけでも、さあ・・・。
それに、やるからって、福岡、広島から呼ぶわけにはいかないだろぉ?
それにアイツはロケが詰まってるらしいし、相手にならんよ、テニスしてないだろうから」
「ですよねぇ。じゃあアイツは?」
「アイツ?ああ、最近結婚したらしくて引っ越したみたいだよ。
まあ会社も急に休めないんじゃん?」
「そうなんすか。じゃあ2人で行きましょう。3セット、OKすか?」
「負けないぜ!」
「ちなみに、これまでの勝率は僕の方が上です」
「ふん、最後に勝った方が強いのよ」
ある場所である奴とシングルスをすることになった。
いや、ちょっと違うか。
しなきゃいけないんだ。
だってもう最後になっちゃうし。
「最後」?・・・うん・・・最後。
なくなっちゃうんだよ。
俺達の大切だった場所が。
コイツとは約10年前からの付き合い。
ここで出会った。
もちろんアイツらともね。
目をつぶれば鮮明に思い出せるよ。
レッスン中の真剣な顔、休憩中の笑顔、悲しいときの泣き顔、単純な酔っぱらいの顔、
数少ないけど喧嘩した時の怒り顔・・・。
ああ!一番は誰かにタバスコで叩かれた痛い顔?だったかな。
一旦俺が離れてから戻ってきたら、コイツしか残っていなくてね。
だけど再会して決めた事があった。
「俺達で一花咲かせるか!」
これ。
今となっては、咲いたか、咲かせられたかは分からないけど・・・。
けど、ここにしか、ここでしか咲かない花を目指していたんだ。
我武者羅だった。
特別な場所だった。
ずっとそこにあると思っていた。
”あの優しかった場所は今でも
変わらずに僕を待ってくれていますか?
最後まで笑顔で何度も振り返り
遠ざかる姿に唇かみしめた
今はこみ上げる寂寞の思いに
潤んだ世界を拭ってくれる指先を待っている”
(ここにしか咲かない花/コブクロ)
お疲れ様。
忘れないから。
絶対。
THANK YOU,HASHIMOTO!
LOVE YOU FOREVER・・・・.
ここにしか咲かない花がある”
(ここにしか咲かない花/コブクロ)
「どうします?」
「いや、けど俺達だけでも、さあ・・・。
それに、やるからって、福岡、広島から呼ぶわけにはいかないだろぉ?
それにアイツはロケが詰まってるらしいし、相手にならんよ、テニスしてないだろうから」
「ですよねぇ。じゃあアイツは?」
「アイツ?ああ、最近結婚したらしくて引っ越したみたいだよ。
まあ会社も急に休めないんじゃん?」
「そうなんすか。じゃあ2人で行きましょう。3セット、OKすか?」
「負けないぜ!」
「ちなみに、これまでの勝率は僕の方が上です」
「ふん、最後に勝った方が強いのよ」
ある場所である奴とシングルスをすることになった。
いや、ちょっと違うか。
しなきゃいけないんだ。
だってもう最後になっちゃうし。
「最後」?・・・うん・・・最後。
なくなっちゃうんだよ。
俺達の大切だった場所が。
コイツとは約10年前からの付き合い。
ここで出会った。
もちろんアイツらともね。
目をつぶれば鮮明に思い出せるよ。
レッスン中の真剣な顔、休憩中の笑顔、悲しいときの泣き顔、単純な酔っぱらいの顔、
数少ないけど喧嘩した時の怒り顔・・・。
ああ!一番は誰かにタバスコで叩かれた痛い顔?だったかな。
一旦俺が離れてから戻ってきたら、コイツしか残っていなくてね。
だけど再会して決めた事があった。
「俺達で一花咲かせるか!」
これ。
今となっては、咲いたか、咲かせられたかは分からないけど・・・。
けど、ここにしか、ここでしか咲かない花を目指していたんだ。
我武者羅だった。
特別な場所だった。
ずっとそこにあると思っていた。
”あの優しかった場所は今でも
変わらずに僕を待ってくれていますか?
最後まで笑顔で何度も振り返り
遠ざかる姿に唇かみしめた
今はこみ上げる寂寞の思いに
潤んだ世界を拭ってくれる指先を待っている”
(ここにしか咲かない花/コブクロ)
お疲れ様。
忘れないから。
絶対。
THANK YOU,HASHIMOTO!
LOVE YOU FOREVER・・・・.
「これは?」
「イースタン?」
「・・・じゃあ、これは?」
「・・・・ウエスタン?」
「じゃ、コンチネンタルはどう持つんだよ?」
「・・・こうっすか?」
「バ○!それじゃ一緒になっちゃうじゃんか!」
なんて質問だか説教だか・・・・良く分からない会話を繰り返しながらのミーティング。
もちろん近場の居酒屋の一席だから、そんなにお堅いものじゃないけどね。
しっかし・・・最近の奴らはグリップすらまともに答えられんのかね?
「じゃあ、お前がいつも握っているグリップは何て言うの?」
って質問には・・・・
「いや、ジュニア時代から、そうやって持てって言われてたんで・・・わかんねっす!」
それでいいのか?新米コーチ?
「それじゃレッスンで伝えられないだろ?ほら、今しっかり覚えろ」
で、飲み屋なのに、ラケットを出して、あ〜だ、こ〜だと握ってる。
暫くすると、そいつの恋愛事情に話が流れた。
ま、グリップは完璧になったから、許してやったんだけどね。
「最近別れちゃったんですよねぇ・・・」
「へぇ。ま、ドンマイだな」
「どっかに落ちてないかな〜?」
「何が?」
「いや彼女が」
「そんなわけ無いだろぉ」
「いや可能性がゼロじゃなければあきらめないっすよ!」
「ゼロだよ。で、何で別れたの?」
「ん・・・まあ、何となくっす」
「あれ、引きずってんの?」
「や・・・そんなんじゃないっすけど・・・」
「ドンマイ。結局、お前もテニスの道を選んだ不器用な男ってわけだな」
「『お前も』って一緒にしないで下さいよ!」
・・・・なんて、やり取りの後。
テニスでもレッスンでも何でもそうだが、大事な事は、失敗を反省し、次に活かす事。
てな事を酒を飲みながら話したわけ。
「次はもっといい恋が出来るよ。さ、帰るか」
「そっすね。反省を次に活かす!ですね」
「そう!で、これは何ていうグリップ?」
「・・ぐ・・・お会計っすか?ごちそうさまで〜す!」
「全然活かされて無いじゃんかよ!」
「じゃ、もう一軒、いやもう一回反省会しますか?」
「そんな返しだけはうまいのな!」
「イースタン?」
「・・・じゃあ、これは?」
「・・・・ウエスタン?」
「じゃ、コンチネンタルはどう持つんだよ?」
「・・・こうっすか?」
「バ○!それじゃ一緒になっちゃうじゃんか!」
なんて質問だか説教だか・・・・良く分からない会話を繰り返しながらのミーティング。
もちろん近場の居酒屋の一席だから、そんなにお堅いものじゃないけどね。
しっかし・・・最近の奴らはグリップすらまともに答えられんのかね?
「じゃあ、お前がいつも握っているグリップは何て言うの?」
って質問には・・・・
「いや、ジュニア時代から、そうやって持てって言われてたんで・・・わかんねっす!」
それでいいのか?新米コーチ?
「それじゃレッスンで伝えられないだろ?ほら、今しっかり覚えろ」
で、飲み屋なのに、ラケットを出して、あ〜だ、こ〜だと握ってる。
暫くすると、そいつの恋愛事情に話が流れた。
ま、グリップは完璧になったから、許してやったんだけどね。
「最近別れちゃったんですよねぇ・・・」
「へぇ。ま、ドンマイだな」
「どっかに落ちてないかな〜?」
「何が?」
「いや彼女が」
「そんなわけ無いだろぉ」
「いや可能性がゼロじゃなければあきらめないっすよ!」
「ゼロだよ。で、何で別れたの?」
「ん・・・まあ、何となくっす」
「あれ、引きずってんの?」
「や・・・そんなんじゃないっすけど・・・」
「ドンマイ。結局、お前もテニスの道を選んだ不器用な男ってわけだな」
「『お前も』って一緒にしないで下さいよ!」
・・・・なんて、やり取りの後。
テニスでもレッスンでも何でもそうだが、大事な事は、失敗を反省し、次に活かす事。
てな事を酒を飲みながら話したわけ。
「次はもっといい恋が出来るよ。さ、帰るか」
「そっすね。反省を次に活かす!ですね」
「そう!で、これは何ていうグリップ?」
「・・ぐ・・・お会計っすか?ごちそうさまで〜す!」
「全然活かされて無いじゃんかよ!」
「じゃ、もう一軒、いやもう一回反省会しますか?」
「そんな返しだけはうまいのな!」
「叩いた〜!」
と言ったジュニアの声を聞いて、チーフコーチがラリーを止めてそこに近づいて行った。
「何だよ?どうした?」
「叩いた。ラケットで」
俺もラリーを止めて、その状況を見ていたけど、
明らかにチーフの顔つきが怒ってるのが分かった。
「何で叩いた?」
「・・・・」
別の奴が、
「ふざけてた」
「どっちが?」
「どっちも〜」
チーフはラケットを置いて、そこに座り込んでジュニア達を見た。
「見てたよ。君が叩いたところも、ふざけてたことも、み〜んな見てた」
「・・・・」
「ラケットは叩く道具なのかい?」
「違う・・・」
「じゃあ叩くな。絶対にだ。ラケットはボールを打つものだ。
テニスをするためのものだ。
これからも君がラケットで人を叩くというなら、今すぐコートから出ていきなさい」
「・・・・」
「どうするんだ?」
「・・・ごめんなさい。もう叩かない・・・」
「よし。じゃあ君逹は何でふざけてたんだい?」
「・・・・・」
「何でだい?」
「コイツが悪口言ってきた・・・」
「何て?」
「下手くそって」
「だってコーチとのラリーでアウトばっかりだったから」
「だから下手くそって言ったの?」
「・・・うん」
チーフの顔が少し優しくなって、
「いいか?アウトすることは凄いことなんだよ。
ボールがたくさん飛ぶってことだからさ。これはスゴいこと。」
「・・・・」
「分からないか・・・。今は分からなくてもいいよ。
だけど下手くそって言ったことは謝りなさい」
「・・・・ごめんなさい」
「よし」
これでまだ終わらなかった。
「で、君達はふざけてるこの子逹を何故止めなかったんだい?」
思いもよらなかった方向にお説教が向いたんだ。
「・・・・」
「みんな同じコートでテニスをしているんだから止めなきゃダメだよ。
なんでか分かるか?」
「仲良くしなきゃだめだから?」
「うん。それもある。けどね、もっと大事なことがあるんだ。
・・・いま、コーチがラリーを止めて何分たった?」
「3分くらい?」
「そうだね。その3分でコーチと何回、何球、何人ラリーができるの?
どれだけ上手になれるの?
みんなは上手くなりたくないの?」
「・・・なりたい」
「じゃあ1時間しかないレッスンでふざけてる子がいたら、
みんな同士で注意しなきゃダメじゃない?」
「・・・はい」
「じゃあ次のレッスンでは、いや今から気を付けようね。よし!ラリーを再開しようか!」
レッスン後のコートでチーフが俺に言った。
「レッスンはさ、1時間しか無いだろ?
このたったの3600秒で俺達はテニスの素晴らしさ、楽しさ、マナーを伝えるんだぜ。
あの子達の中から、世界に通用するプレーヤーが出てくるかもしれないし。
手は抜けないよな・・・」
「けど、今日の180秒はきっと大きな意味を持っていますよ!」
「だよな!」
「ですよ!じゃあ僕の為に、帰りに3600秒ほど付き合ってもらえます?」
「お前の成長の為に?仕方ねえなぁ。今日は一軒だけな!」
「やりぃ!じゃ、着替えてきま〜す!」
と言ったジュニアの声を聞いて、チーフコーチがラリーを止めてそこに近づいて行った。
「何だよ?どうした?」
「叩いた。ラケットで」
俺もラリーを止めて、その状況を見ていたけど、
明らかにチーフの顔つきが怒ってるのが分かった。
「何で叩いた?」
「・・・・」
別の奴が、
「ふざけてた」
「どっちが?」
「どっちも〜」
チーフはラケットを置いて、そこに座り込んでジュニア達を見た。
「見てたよ。君が叩いたところも、ふざけてたことも、み〜んな見てた」
「・・・・」
「ラケットは叩く道具なのかい?」
「違う・・・」
「じゃあ叩くな。絶対にだ。ラケットはボールを打つものだ。
テニスをするためのものだ。
これからも君がラケットで人を叩くというなら、今すぐコートから出ていきなさい」
「・・・・」
「どうするんだ?」
「・・・ごめんなさい。もう叩かない・・・」
「よし。じゃあ君逹は何でふざけてたんだい?」
「・・・・・」
「何でだい?」
「コイツが悪口言ってきた・・・」
「何て?」
「下手くそって」
「だってコーチとのラリーでアウトばっかりだったから」
「だから下手くそって言ったの?」
「・・・うん」
チーフの顔が少し優しくなって、
「いいか?アウトすることは凄いことなんだよ。
ボールがたくさん飛ぶってことだからさ。これはスゴいこと。」
「・・・・」
「分からないか・・・。今は分からなくてもいいよ。
だけど下手くそって言ったことは謝りなさい」
「・・・・ごめんなさい」
「よし」
これでまだ終わらなかった。
「で、君達はふざけてるこの子逹を何故止めなかったんだい?」
思いもよらなかった方向にお説教が向いたんだ。
「・・・・」
「みんな同じコートでテニスをしているんだから止めなきゃダメだよ。
なんでか分かるか?」
「仲良くしなきゃだめだから?」
「うん。それもある。けどね、もっと大事なことがあるんだ。
・・・いま、コーチがラリーを止めて何分たった?」
「3分くらい?」
「そうだね。その3分でコーチと何回、何球、何人ラリーができるの?
どれだけ上手になれるの?
みんなは上手くなりたくないの?」
「・・・なりたい」
「じゃあ1時間しかないレッスンでふざけてる子がいたら、
みんな同士で注意しなきゃダメじゃない?」
「・・・はい」
「じゃあ次のレッスンでは、いや今から気を付けようね。よし!ラリーを再開しようか!」
レッスン後のコートでチーフが俺に言った。
「レッスンはさ、1時間しか無いだろ?
このたったの3600秒で俺達はテニスの素晴らしさ、楽しさ、マナーを伝えるんだぜ。
あの子達の中から、世界に通用するプレーヤーが出てくるかもしれないし。
手は抜けないよな・・・」
「けど、今日の180秒はきっと大きな意味を持っていますよ!」
「だよな!」
「ですよ!じゃあ僕の為に、帰りに3600秒ほど付き合ってもらえます?」
「お前の成長の為に?仕方ねえなぁ。今日は一軒だけな!」
「やりぃ!じゃ、着替えてきま〜す!」



