one boy達のテニスへの想い・・・毎月10日、25日更新!!
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★第36試合『STAR』
「フケたな、お前」
「お互い様だろ」

大した会話もなく、奴オススメの店に向かう。
言葉なんてなくたって別に構わないんだが・・・。
取りあえずの、歩きながらの近況報告。

「で、どうよ?」
「何が?」
「仕事の調子」
「ん、ああ、部署が変わって新しいスタートだよ。
 売り手から買い手に変わってね。大変、いろいろ。お前は?」
「・・特に変わらないかな」
「ふ~ん」

オススメの店は学生時代には入らなかったような渋いトコ。
とりあえず生ビールを一気に飲み干して、一息ついた。
久しぶりの再会で固かった空気が柔らかくなったように感じた。
コイツは学生時代に同じテニススクールでアルバイトしていた仲間。
俺が新人だった頃、バリバリにレッスンしていた奴だ。
初めてレッスンで組んだ時、何も知らない俺は迷惑ばかり掛けていた。
だけど奴は怒りもせずに、丁寧に教えてくれたっけな。
いい奴だった。

「こないだのUSオープン、スゴかったな」
「ああ、錦織だろ?」
「日本テニス界希望の?」
「星だよ」
「だよなぁ」

今はテニスからちょっと距離を置いた奴にだって、そう感じさせる。
当たり前か。

「俺、久しぶりにガッツリテニスしたいなぁ」
「何だよ、来ればよかったじゃんか。こないだの合宿」
「いや、行きたかったけどさ。急なんだよ、いつも」
「ああ、すまん」
「次はいつやるんだ?」
「春くらいかなぁ」
「絶対行くから、早めに決めてな」
「分かったよ」

終盤、あの頃の話が出てきて、
「お前、泣きながら言ってたよな」
「何が?」
「いや、覚えてない?仕事にするって決めた時」
「?」
「泣きながら、『俺はこの仕事をやるんだ!』って」
「マジ?」
「覚えてない?」
「うん」
「酔っぱらってたからな、お前」
「そいつは迷惑をかけたな」
「いや、迷惑なんかじゃなかったけど・・・・お前は希望の星になったの?」
「・・・・・・」
「もう一軒行く?」
「そりゃあ」

スターへの道は果てしないのだ。
まだまだやり足りないぜ。
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